一生懸命頑張っている中で、
「使命を感じて頑張っている事なのに、なんだかスッキリしない……」
「使命感が邪魔して自由にできない……」
こんなふうに思った事はありませんか?
そんなあなたに『千の希望』の世界を生きるキャラクターが繰り広げるお話が、思考のヒントになるかもしれません。
今回のお話では、次のような事を書いています。
- 【使命感に駆られると、気持ちがモヤモヤするというデメリットが発生する】
- 【気持ちがモヤモヤした時は、一度立ち止まって考えよう】
- 【全力で頑張っても解決できない大きな妨害は、外部からの助けで解決する事もある】
- 【できなかった時は何度でも考えなおして、ノイズのないクリアな思考を取り戻そう】
それでは、キャラクターの会話をお楽しみください。
【使命感に駆られると、気持ちがモヤモヤするというデメリットが発生する】
少し曇った空の下を、茶色い目の少年が歩いていると、同級生数人が、猫をいじめているのが見えた。
「コラー! やめろー!」
茶色い目の少年が、叫びながら走り近づくと、こちらに気づいた相手は、ニヤニヤとバカにするような顔をしながら言った。
「わー! ヒーロー気取りが来たー! 逃げろー!」
同級生達は、そのまま逃げ去った。
「何がヒーロー気取りだよ! 助けるのは当たり前だろ!」
猫を抱き上げ、茶色い目の少年は優しく話しかける。
「大丈夫だったか? ケガとかしてないか?」
「ニャ?」
特にケガなども見当たらなかった為、猫を降ろすと、少年はその場に座り込んだ。
「ヒーロー気取り……じゃねえし」
言われた事を気にしているようで、俯いていると、親友の青い目の少年が現れた。
「やあ」
「お……」
青い目の少年は、相手の隣にストンと座ると、近くにいる猫を撫でた。
「頑張ってるじゃん」
「うん……」
何か不満そうな相手の態度に、青い目の少年は首を傾げる。
「どうしたの?」
「……なんか俺、使命感に駆られてる気がする」
「え?」
【気持ちがモヤモヤした時は、一度立ち止まって考えよう】
茶色い目の少年の言葉に、青い目の少年はさらに首を傾げた。
「最初は、いじめられたりしてる人を、可哀想、なんとかしたいって気持ちから、そういう人を助けるようになったけど……最近はなんか……使命感が強く出すぎて、何でもかんでも俺が助けなきゃ! みたいに思って……危ない相手にも立ち向かわなきゃって思ったりしてさ」
俯く相手に、青い目の少年は大きな声を出す。
「危ない奴に向かって行ったの!?」
「いや……怖くて無理だった……」
そう聞いた青い目の少年は、ホッと胸をなでおろす。
「良かった! それでいいんだよ!」
「……そうかな」
茶色い目の少年は、不満そうに、自分の拳を強く握った。
「だって対応できるレベルってあるじゃん」
「そうだけど……」
青い目の少年は、相手を笑顔で見つめて続ける。
「確かに、そんな強迫観念持ったみたいに行動するのは、使命感に駆られてるかもしれないね」
「うん……」
膝を抱え、しょんぼりとしている茶色い目の少年に、青い目の少年は相手の肩を、ポンっと軽く叩く。
「視野が狭くなると、判断を誤りやすくなるし、もうちょっと考え直した方がいいかもな」
「どうしたらいいかな?」
不安そうに見つめてくる茶色い目の少年に笑顔を返すと、青い目の少年は言った。
「焦ってさ、沢山救いたい、強い奴からも守りたいって思っても、今の自分には今の自分にしか対応できない範囲があるじゃん。だから、なんでもかんでもじゃなくて、今の自分にできる事を意識したらいいんじゃないかなぁ」
「今の自分にできる事……」
「僕、キミがむちゃして大けがとかしたら、嫌だよ」
青い目の少年の優しい言葉に、茶色い目の少年は目頭が熱くなった。
「ありがとう……そうだよな。俺にだって……心配する相手がいる。だから、ちゃんと自分のできる範囲で頑張るように意識する……うん! なんか冷静になってきたかも!」
そう発言した時、猫が茶色い目の少年にすり寄った。
「あはは! 猫もそれでいいってさ!」
笑う青い目の少年に、茶色い目の少年も笑顔を返す。
「うん! まずは、できる範囲で、だな!」
【全力で頑張っても解決できない大きな妨害は、外部からの助けで解決する事もある】
「そうそう! 無理しても続かないしね!」
悩みが解決し、二人が楽しそうに笑っていると、さっきのいじめっ子が大きな木箱を持って戻ってきた。
「おい! ヒーロー気取り! ヒーローは強いんだから、こんなもの簡単に壊せるよな!」
「え?」
いじめっ子は、ご丁寧にわざわざ台車を用意しており、それに木箱を載せると、坂の上から茶色い目の少年目掛けて走らせた。
「へへ! ざまあみろ!」
その時、少し離れた場所で、強い光が発生した。
「ん? なんだあれ? ま、いっか」
いじめっ子は、光から少年二人に視線を戻すと、ニヤニヤしながら眺めた。
「「うわ! 逃げろ!」」
二人はサッとその場を離れるが、猫は何も気づかず、その場から動こうとしない。
「危ない!」
青い目の少年は、助ける為に猫に覆いかぶさった。その光景を見た茶色い目の少年は叫ぶ。
「おい! そこから逃げろって!」
近くまで木箱が迫っており、このままだと親友と猫がケガをしてしまうかもしれない。そう思った茶色い目の少年は、木箱と青い目の少年の間に立ち塞がった。
(ぶつかる!)
そう思った瞬間、自分の周りに白いバリアのようなものが出現し、木箱はそれに当たり、吹っ飛んだ。
「え?」
呆然とする茶色い目の少年に、いじめっ子が大声を出す。
「何だお前!? 魔法使いかなんかか!? いや……そんなのいるわけないし……次はこれでもくらえ!」
そう言うと、持っていた太い棍棒を強く握りしめ、坂の上から走り出し、猛然と茶色い目の少年の元へ向かった。
「武器使うとか危ないだろ!」
茶色い目の少年は焦るが、いじめっ子は尚もスピードを上げて駆けてくる。
「うるせー! 一度使ってみたかったし、威力の確認の為に、実験台になれよ!」
戦う事に憧れていたいじめっ子は、容赦なく棍棒を振り下ろす。
「わー!」
今度こそやられる! そう思った瞬間、棍棒は、バキッ! という大きな音と共に、バラバラに割れてしまった。
「うわ! なんだよ! なんで!?」
混乱するいじめっ子は、近くに人の気配を感じ、そちらを見た。それと同時に、茶色い目の少年も視線の先を見ると、そこに居た人物に思わず声を出す。
「あ、あなたは!」
みんなの視線の先に居たのは、前回水場で本を拾ってくれた、黒髪の青年だった。
「え? こいつが魔法使い?? てか、誰??」
いじめっ子が、目を見開いて固まっていると、かざしていた左手を降ろし、黒髪の青年が近寄ってきた。
「な! なんだよ! やるのか!?」
無言で真剣な表情で迫ってくる黒髪の青年に、いじめっ子は、また魔法を使って、今度は自分を吹き飛ばすのでは? と想像してしまい、涙目になった。
「ご、ごめんなさい! 降参! 降参します!!」
両手を上げて降参するいじめっ子に、黒髪の青年は言った。
「武器は人を守る為に使うもので、自分の汚れた欲の為に使っちゃダメだ」
強い目をして言う相手の気迫に怖くなり、いじめっ子は震え出した。
「わー! もうしません! ごめんなさーい!」
そう叫びながら、いじめっ子はその場から逃げ出した。助けられた茶色い目の少年は、驚き、その場に立ち尽くしていた。
【できなかった時は何度でも考えなおして、ノイズのないクリアな思考を取り戻そう】
「大丈夫だった?」
黒髪の青年の言葉に、茶色い目の少年は、ハッと我に返る。
「は! はい! 大丈夫です!」
「良かった」
にこりと笑う黒髪の青年のその姿に、茶色い目の少年は、感動した。
(俺……こういう人になりたい!)
そう思いながらじっと見つめると、軽く会釈して、黒髪の青年は去って行った。
「相変わらず、かっこよかったね」
猫を抱きながら、青い目の少年が言うと、茶色い目の少年は叫んだ。
「俺! もっと心を強くする! そんで、ちゃんと使命を全うできる人間になる!」
相手の決意に、青い目の少年は優しく笑う。
「そうだね。キミの使命は人を助ける事なんだろうから、ずっと一生できるように色々考えて、心も体も鍛えていくといいかもね」
「うん!!」
抱えていた猫を降ろすと、青い目の少年は、大きくため息をついた。
「けど、ついさっき自分のできる範囲で頑張るようにしようねって言い合ったのに、ものの数分で二人ともできなくなるなんてさ。思っても実際やるのは難しいね」
「だろ! でも、体が勝手に動く! これがヒーローなんだよ!」
拳を握り、高く掲げる茶色い目の少年に、青い目の少年は真剣な顔をする。
「いや、大けがするのはやっぱダメだよ。今回は、ハイレベルなあの人に偶然助けてもらえたから良かったけど、ちゃんとどうしたらいいか、もう一回考えよう」
「えー……わかったよ。俺もお前が大けがするかもって怖かったし……」
そう言われ、青い目の少年は大きく笑った。
「はは! まだまだあの人みたいになる道のりは遠いけど、ノイズみたいな考え方は減らしていけるように、頑張ろっか」
「うん! 間違った考えは、邪魔になるからいらないもんね!」
こうして、使命感に駆られていた状態から抜け出し、茶色い目の少年は、さらに成長できるように日々頑張るのだった。
まとめ
今回のお話では、次のようなテーマの会話が繰り広げられました。
- 【使命感に駆られると、気持ちがモヤモヤするというデメリットが発生する】
- 【気持ちがモヤモヤした時は、一度立ち止まって考えよう】
- 【全力で頑張っても解決できない大きな妨害は、外部からの助けで解決する事もある】
- 【できなかった時は何度でも考えなおして、ノイズのないクリアな思考を取り戻そう】
あなたの心には何が残りましたか?ぜひ、色々と考えてみてください。
この小説が、あなたの悩みの解決のヒントになれると嬉しいです。
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